愛媛県は24日、宇和海の赤潮モニタリング調査で、従来の顕微鏡観察に加え、遺伝子解析を導入したと発表した。顕微鏡では確認できない低濃度の赤潮プランクトンの増殖を検出することができ、養殖業者らに早めの対策を促すのが狙い。
 調査を担う県水産研究センター(宇和島市)は4月下旬から、宇和海の5地点で採水し、遺伝子解析を実施。19日の調査で、赤潮の原因となる有害プランクトン「カレニア・ミキモトイ」の遺伝子量が全地点で増加している結果が出たが、顕微鏡観察では5地点のうち吉田湾で1リットル中1個(1ミリリットル換算で0.001個)の確認にとどまっている。
 県水産課は「今後は水温が上がり、赤潮が発生しやすい環境になる。漁場監視も強化し、迅速な情報提供に努めたい」としている。
 近年の宇和海では同プランクトンによる赤潮被害が発生しており、被害総額は2012年が12億3000万円、15年は3億7200万円だった。